日程:2004年9月12日(日)
場所:岐阜 長良川公園
ついに今年もやって来たぞおおおっ! 日本最長120キロの超長距離をひたすら走り続ける日本最長インラインスケート・マラソン「ウルトラスケート」──略して「ウルスケ」だあっ!
台風が連続して日本へ上陸。なかなか天候が安定せず、「果たして開催できるか?」と誰もが不安に思っていた今年の「ウルトラスケート」ですが、当日は驚くほどの快晴。
しかも、めちゃくちゃ蒸し暑いでやんの。スタート1時間前の午前7時半で、すでに気温は28度。予想最高気温は30度を軽く越えるということで、うわあ、そんな中で120キロなんて長丁場を無事クリアできるのか? と、いきなり不安度急上昇。
スタートを待っている間にも、陽射しは容赦なく強くなっていき、立っているだけでふらふらしてきました。これじゃあ、スタート前にぶっ倒れちゃうかもしれません。慌てて、おでこに冷却シートを貼る僕。
電光掲示板が、スタートまでの残り時間をカウントダウンしていきます。うわあ。緊張するなあ。
ウルトラスケートは、できるだけ体力を消費せぬよう快適に滑り続けることが、完走するための必須条件。だから──というわけでもないのですが、今回のイベントは、やたらとオニューのアイテムがそろってしまいました。
まずは、プロテクター。最近のイベントで立て続けに転倒しているもんですから、いつの間にかボロボロになってまして……新しいものを購入しました。ピカピカのプロテクターなら、きっと気持ちよく滑れるはず。
さらに──
ニュー・レーシングスーツを早速、身につけてみました。ふっふっふっ。あまりのかっこよさに、みんなきっとびっくりするだろうなあ。
……あ、あれ?
うーーん、大丈夫か? なにかのはずみで一気に糸がほつれて、
まあ、それはそれで面白そうだけど(おい)。
選手に配られたゼッケンには、中央部分に空白部分がありました。一体、なんだろう? と思ったら、そこに「なにかメッセージを書き込んでください」のこと。
スタート時刻まで残り30分を切ったところで、開会式ぃ〜!
昨年12月の42キロマラソンに続いて、「申し込み1番賞」をゲットした僕。パソコンの前に貼りつき、申し込み開始と同時に、素早いキーボードさばきで必要事項を入力する。いつ申し込みが開始されるかは事前に報されないので、忍耐と俊敏さが勝負の決め手。これは、ちょっとやそっとの努力で獲得できる賞ではありません。すごいぞ、くろけん!(自画自賛)。
「えー、続きまして、申し込み1番賞の授与式を行ないたいと思います」
をを。いよいよ僕の表彰されるときがやって来た。どきどき。
「これは、もっとも暇な人に贈られる賞です」
うわーい、1番賞だ、1番賞だあ。なんだろう?
期待に胸をふくらませながら、賞品を取り出してみる。
「これを飲んで、120キロ完走してください」
……ど、どうもありがとう。
「いや、実はもうひとつ賞品があるんですよ」
「ええっ! 本当ですか!」
「どうぞ。腕時計です」
うわーい。腕時計、ちょうど新しいのがほしいと思ってたところだったんです。
なんと、定価18000円だって。いいんですか? こんな高価なもの、本当にもらっていいんですか?
ちょっと微妙なデザインですが……。なになに? 説明書を読むと、「この時計は、音楽を楽しむための機能を搭載した、まったく新しい概念を付加したしたものです」って書いてあるぞ。へえ。「ドラムサウンド再生機能により、小室哲哉氏プロデュースによる6パターンのオリジナルサウンドを楽しむことができます」。……中途半端に、レトロなにおいを感じさせる時計ですな。
早速、再生ボタンを押してみる。いきなり、電池切れの表示。
…………。
ずいぶんと長い間、売れ残ってたんだろうなあ。
いや、でもホント、これはマジで嬉しかったです。こーゆー遊び心満載の品物って大好きだし。これからは、小室サウンドでスケートを楽しむことにします。「ぼでぃふぃーるゆあいぐじっと♪」と歌いながら滑っているスケーターがいたら、それは僕ですので、どうぞよろしく。
そんなこんなで、いよいよスタート。
1周2.5キロのコースを48往復。果たして、完走できるのでしょうか?
今年はストップウォッチを首にぶら下げて、すべてのラップタイムを取ってみることにしました。
周 | タイム | 累計 | 備考 |
1 | 06.32 | 0:06.32 | |
2 | 06.24 | 0:12.56 | |
3 | 06.25 | 0:19.22 | |
4 | 06.18 | 0:25.41 | 10km |
5 | 06.19 | 0:32.00 | |
6 | 06.16 | 0:38.17 | |
7 | 06.24 | 0:44.42 | |
8 | 06.10 | 0:50.52 | 20km |
9 | 06.21 | 0:57.14 | |
10 | 06.22 | 1:03.36 | |
11 | 06.17 | 1:09.54 | |
12 | 06.49 | 1:16.43 | 30km |
13 | 15.19 | 1:32.03 | 最初の休憩 |
1周7分くらいで走ろうと思っていたんですが、INAさんに引っ張られて、少しハイペースになってしまいました。しかし、このあたりはまだ気持ちよかった。スタート直後に太陽がかげり、風もさほどなくて、なんだかとってもイイ感じ。をを。このままのペースでいったら、5時間半くらいで滑りきれるんじゃないか? と甘いことを考えていました。←大馬鹿者
つらくなってきたのは、10週目を過ぎたあたり。INAさんも、「10周を越えたあたりから足が重くなってきた」と報告されてたので、たぶんこのへんで長良川の魔物が現れたのでしょう。
12週目で一気にペースが落ち、集団について行けなくなってしまいました(涙)。「今年はできるだけ休まずに走るぞ!」と事前にいいきかせていたのですが、13週目で断念して、エイドステーションへピットイン。休憩時に座ってしまうと、次に滑り出すのがひどく苦痛になることは、昨年の110キロで経験済みだったので、立ったまま栄養補給。
周 | タイム | 累計 | 備考 |
14 | 06.32 | 1:38.51 | |
15 | 07.06 | 1:45.57 | |
16 | 06.57 | 1:52.55 | 40km |
17 | 07.10 | 2:00.06 | 42.5km |
18 | 07.20 | 2:07.26 | |
19 | 07.19 | 2:14.46 | |
20 | 07.32 | 2:22.18 | 50km |
21 | 16.25 | 2:38.44 | 2度目の休憩 |
休憩しても、疲れはほとんど取れず。誰かの後ろにつこうとするのですが、同じペースの人がなかなか見つかりません。結局、このあとは、ほとんど一人きりで滑ってました(涙)。
2時間ジャストで42.5キロを通過。去年は1時間58分くらいで通過していたと思うので、少しラップが落ちてます。うう……こんなにつらかったっけ? まだ3分の1を滑り終えたところなのに、早くも泣きそうなんですけど。
21周回ったところで2度目のピットイン。はい。今度はソッコーで座りましたよ。ブーツも脱ぎましたよ。「おがあぢゃあん、おうち帰りたいよお」とわめきながらしばしの休憩。
周 | タイム | 累計 | 備考 |
22 | 07.24 | 2:46.08 | |
23 | 07.24 | 2:53.32 | |
24 | 07.39 | 3:01.12 | 60km |
25 | 07.57 | 3:09.10 | |
26 | 15.32 | 3:24.42 | 3度目の休憩 |
27 | 08.00 | 3:32.42 | |
28 | 07.53 | 3:40.36 | 70km |
29 | 07.47 | 3:48.23 | |
30 | 16.20 | 4:04.43 | 4度目の休憩 |
タイムは笑っちゃうくらい、急速に落ちていきます。ちょうどこの頃から太陽がカンカン照りになってきて、頭もぼんやり。「いくらなんでも、8分台に落ち込むことはないだろう」と思っていたら、27週目でしっかり出しちゃってるし(涙)。
さあ、残り45キロ。げげえ。まだ、そんなにあるのか……。
さて、この先は、僕のストップウォッチが安物だったため、記録が保存されていませんでした(T_T)
ここらへんから、急に風が強くなってきて、漕いでも漕いでも、前へ進んでいきません。タイムは8分から8分後半、さらに9分台にまで落ち込みました。もっともつらかったのは、このあたりですね。
周 | タイム | 累計 | 備考 |
31 | 08分後半? | *:**.** | |
32 | 08分後半? | *:**.** | 80km |
33 | 09分前半? | *:**.** | |
34 | 09分前半? | *:**.** | |
35 | 20分くらい | *:**.** | 5度目の休憩 |
36 | 09分前半? | *:**.** | 90km |
37 | 09分前半? | *:**.** | |
38 | 08分後半? | *:**.** | |
39 | 20分くらい | *:**.** | 6度目の休憩 |
39週目で6度目の休憩。あと1周滑れば100キロでキリがいいのに、もうそれだけ滑る体力も残ってません。ってゆーか、油断すると吐きそう。
「あと9周」っていうと楽そうだけど、今のペースで滑ると、まだ1時間半近くかかることになります。うげえ。まだそんなにも滑らなくちゃならないのか。
ここからは、ひたすらいさ2のあとを追いかける。思えば、去年の110キロもいさ2の後ろをつけまわして、なんとか完走することができたのでした。
不思議なことに、いさ2のケツにぴたりとついた途端、足取りが軽くなりました。をを、すげえ。嘘みたいだ。60キロを越えたあたりからは、4〜5周に一回のペースで休んでいたんですが、4周走ってもあんまり苦痛じゃありません。これなら、もう少し頑張れそうです。
畜生。こんなことならもっと早く、いさ2のケツについとけばよかった。
周 | タイム | 累計 | 備考 |
40 | 08分後半? | *:**.** | 100km |
41 | 08分後半? | *:**.** | |
42 | 08分前半? | *:**.** | |
43 | 08分前半? | *:**.** | |
44 | 09分前半? | *:**.** | 110km |
45 | 13分くらい | *:**.** | 最後の休憩 |
46 | 08分後半? | *:**.** | |
47 | 08分後半? | *:**.** | |
48 | 08.12 | 7:06.17 | 120km |
再び一人きりになりながらも、最後の力をふりしぼって、ついにゴールイン!
7時間6分17秒。
去年と較べると、かなりローペースだけど、いやもう、完走できたというだけで満足です。
「こんなしんどいイベント、来年は絶対に参加するものかあっ!」と走り終わった直後は思ったんですけど、あれから2日経って、早くもインラインの虫がうずき始めました。さあ、来年のウルトラスケートに向けて、また体力をつけないとなあ。
この大会のリザルトはこちら
。
なお、このページに掲載した写真は、がくちゃんから提供していただきました。どうもありがとうございます。
(文 くろけん)
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